ブランクのある看護師のための看護技術とケアの復習【復職セミナー前に】

血管確保では、「血管を的確に怒張させること」が大切です。
そして、弾力があり、穿刺するのに十分な太さがあり、蛇行していない血管をどのように見つけるかがポイントになります。

駆血(くけつ)の仕方

駆血は、静脈血流をうっ滞させ、血管を怒張させることが目的です。
動脈の血流が遮断されるほど駆血すると、
血管を怒張させることができず逆に虚脱してしまうため血管確保が困難になります。
つまり、駆血は、強すぎず弱すぎない程度に行うことがポイントです。

 

強すぎず弱すぎない程度とは、動脈血流の遮断がされない程度です。
ですから、駆血したときに、動脈が触れるかどうかを確認することで、強すぎか否かが確認できます。

 

また、選択部位を心臓より下げると静脈の怒張を促すことができます。
心臓より下にすることで、静脈血流のうっ滞が生じます。
つまり、選択部位を下げたままで駆血することで、血管を探し安くなります。

 

このように駆血をしても怒張が弱いときには、
患者さんにクレンチング(手を握ったり開いたりする)をしてもらうことで血管の怒張を促すことができます。
静脈の血流は、心臓からの拍動と共に筋肉ポンプの影響で血流が心臓に返りますから、
クレンチングを行うことで、静脈血流がよりうっ滞します。
クレンチングは、血管を怒張させるためにとても効果的な方法です。

叩く・温めるは、血管怒張に効果がある?

血管が怒張する要因として「温める」、「叩く」が有効的であるかどうかは、
根拠があることではないとされています。

 

採血や点滴をするとき、血管が出ないとペシペシ叩いたり、
こどもの点滴などでは温めるなどの行為をして、血管を探しやすくしたりします。

 

看護師さんの中にも、先輩看護師に「血管が出ないときは叩いて!」と教えられた人も多いと思います。
ですが、叩いたり、温めたりすることで血管が出ると言う根拠はありません。
叩くことでは、皮膚に刺激を与えて痛みを感じさせ、
傷みを生じさせることで血管を収縮させて局所的な血流障害を起こします。
つまり、静脈を怒張させるのに効果的であると言うことはできませんし、
生理的機能から見ると、血管の怒張を促す行為ではなく血管を収縮させてしまう行為であるといえます。

 

また、副交感神経を刺激し血管を拡張させることができる「温める」に関してですが、
「温めること」自体が血管を怒張させるわけではありません。
ただ、温めることによって表在静脈に一時的に血流の増加を認めるため、
温めながら患者さんにクレンチングを行ってもらうことで血管を怒張させることが期待できます。

血管が怒張する要因

血管が怒張する要因には、
・筋ポンプ作用
・血管内ボリューム
・血管の弾力性
・自律神経系の作用
などがあります。

 

重症患者さんの場合などでは、
血管内ボリュームが減少していたり、自律神経系の機能の低下、
血管収縮作用のある薬剤の投与、筋力低下などがあるため、血管が怒張しにくいことが多々あります。