ブランクのある看護師のための看護技術とケアの復習【復職セミナー前に】

褥瘡ケア

褥瘡とは、圧迫性壊疽の一つです。

 

重症の患者さんが長期間病床にあると、
寝具や衣類、体重などによって圧迫され、赤くただれて痛みます。
特に高齢者は、非府表面組織や皮下組織が脆弱化していたり、
栄養状態が悪いために褥瘡発症のリスクが高くなり、一度発症すると治癒にも時間がかかります。

 

褥瘡をケアするためには、褥瘡そのものの処置も必要ですが、
なぜ、褥瘡がなくならないかを考えることや、
褥瘡を予防するための寝具の選択、褥瘡周囲の皮膚のケア、体位変換などのケアも必要です。

 

褥瘡を予防するには、寝具の選択もとても重要です。
体圧分散寝具(マットレス)にはどのような種類があるのでしょうか。
また、どのようなマットレスを選ぶとよいのでしょうか。

 

代表的な体圧分散寝具(マットレス)の素材には、エアマットレス、ウレタンフォーム、
ゴム・ゲルマットレス、ウォーターマットレスなどがあります。

 

これらのマットレスから、『寝具と接触している圧を減少させる機能』、
『患者さんのADLと身体状況の目標』、『寝心地』の3つのポイントを抑えて選択します。

体圧分散寝具について

日本褥瘡学会では、ベッドなどの支持体と接触しているときに、
単位体表面に受ける圧力を接触面積を広くすることで減少させる、
或いは、圧力が加わる部位を時間経過と共に移動させることによって
長時間、同一部位にかかる圧力を減少させるための用具を
「体圧分散寝具<マットレス>」としています。

 

マットレス自体が沈み込む、或いは、マットレスが身体の凹凸に合わせて接触することで、
接触面積を広くすることができます。

 

特に骨突出が顕著な患者さんの場合や、拘縮のある患者さんの場合には、
マットレスが身体の凹凸にあわせる機能が低いと、
その部分がハンモック状態になってしまい、強く圧力かかることになってしまいます。

 

圧力が加わる部位を移動させるためには、
圧切り替え型エアマットレスによるセルの膨縮によって
骨突出部に加わる圧力を変化させる方法があります。

 

そして、褥瘡を予防するために、
体圧分散の機能が高いほど原因となる圧力を低く設定できます。

体圧分散寝具の特徴と適応について

体圧分散寝具はメーカーごとに試験が行われ機能の説明がされています。
ですが、すべての患者さんに適合するように作られているわけではありません。

 

看護師等医療従事者や家族をはじめとする介護者が、
体圧分散寝具の特徴と適応を知ることが必要で、使用する患者さんに適切に機能しているかを確認することが大切です。

 

そして、体圧分散寝具を必要とする患者さんは、重症のために、一日のほとんどをそのベッドで過ごします。
マットレスに不快を感じるのであれば、筋緊張や身体機能はもちろん、
心理的な苦痛も強いられることになります。

 

とても高機能な体圧分散効果のあるマットレスであっても、
患者さん自身が不快感が強いものであれば、その高機能な効果を十分に役立てることができませんから、
マットレスを選択するときには、患者さんの病状や身体機能、痛みなどについても十分考慮し、
そのマットレスであれば快適なのかどうかを十分に確認したいものです。

 

患者さんに適切に機能しているかは、体圧測定器による体圧測定をしたり、
発赤の有無などを継続的に観察することで判断できます。

 

体圧分散寝具を選択する要件としては、
患者さんのADLを含めた身体的な状況の目標と寝心地もあげられます。

 

患者さん自身がどの程度動けるのか、頭側挙上を行うのか、
頭側挙上を行うのであればどの程度で、どのくらいの時間が必要なのかなど、
身体的な状況の目標を見極めます。

 

頭側挙上が必要な患者さんの場合は臥床時よりも圧力を受ける面積が少なくなるので、
高機能な体圧分散機能をマットレスに求めなければなりません。

 

また、少しの動きであっても痛みを伴う患者さんであれば、圧の切り替えによる軽微な動きが
不快感や痛みを増強させることにもなりますから、
痛みのある患者さんに対しては、褥瘡予防と同時に、患者さんの苦痛の程度もマットレスの選択条件になります。

 

患者さんがある程度動けるのであれば、その動きを妨げる沈み込みの大きな寝具は、
せっかくの機能を妨げ、低下させることにもなりかねません。
つまり、リハビリ期にある患者さんは、患者さんの目標と褥瘡発生のリスクを慎重に見極めるることが重要です。

体圧分散寝具のシーツ交換

病院などの施設では、同じ体圧分散寝具を多くの人が使用します。
ですから、感染対策も必要になります。
販売されている体圧分散寝具のほとんどは、専用の防水カバーが使用できるので、
シーツ交換だけでなく、定期的に適切な方法での清拭や洗濯を実施するなど
感染予防に対する仕組みを作っておくことが重要です。

 

さて、体圧分散寝具のシーツ交換についてですが、
体圧分散寝具では、なるべく薄いシーツを使用することがポイントです。

 

体圧分散寝具の特徴として、沈み込むことでマットレスとの接触面積を広げ、
収縮と膨張によって同じ部分に強い圧力が加わらないように圧力を軽減するという機能があります。

 

ですから、その機能の効果を最大限に活かすには、
なるべく薄いシーツを使用することが大切で、身体の沈みこみによるマットレスの変形にフィットするよう
シーツを引っ張り過ぎないように敷く事も必要です。

 

ピンとシーツを張ってしまうと、シーツが身体を受け止めてしまい、
ハンモック状態になってしまいます。
こうなると、骨の突出部位は圧が高くなり、使用している体圧分散寝具の効果を得ることができず、
褥瘡発生の原因を作ってしまうことになります。